正反対恋愛【完結】
「……何してんの?」

誰もいないはずの化学室の中から男の低い声がした。


「誰だ?!」


その声に動揺して斎藤君はあたしからパッと手を離した。


よかった……助かった……。


ホッと安堵していると、ジャージ片手に床から起き上がりこちらに歩み寄る銀の姿が目に飛び込んできた。


「……銀?」


「なぁ、お前何してた?」


あたしの横を通り過ぎると、銀は斉藤君の胸ぐらを掴んだ。



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