正反対恋愛【完結】
「送ってくれてありがと」


「どういたしまして。じゃあ、また明日」


「うん、また明日」


銀はあたしに軽く手を上げると再び駅の方向へと歩いて行った。


その後姿を目で追っているとさっきの会話が蘇った。


『佐奈んちってさ、猫飼ってる?』


『飼ってないよ?』


あたしがそう答えた時、銀は明らかに落胆して肩を落としていた。


銀は猫が好きなの?


だから猫を飼ってるかなんて質問したの?


それとも何か意味があるの?


そんなことを考えているうちに、いつの間にか銀の姿は見えなくなった。


あたしは結局その答えを探し出せないまま、玄関の扉に手を掛けた。


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