君のとなり。
1章 ネコとわんこと。
━・1章 ねことわんこと。・━
15歳 春 入学式の朝
私、田中明日香は今日から・・・
・・高校生になります。
「・・き、キンチョォ~・・」
着なれない制服を見て、私はつぶやいた。
新品の制服 見慣れない通学路
これから、どんな高校生活が待ってるんだろ・・
これからの生活にワクワクしながら、私は駆けだした。
「・・えっと・・クラス・・」
校門入ってすぐの掲示板をみつめる。
田中・・田中・・、!!あった・・
「って‘田中祐人”!男じゃんっ!!」
明日香がしかめっツラになった。 その時、
ドンッ!!
「っあ、ごめんなさい・・!」
あっちゃぁ~、人にぶつかっちゃった・・
ぶつかった背中をおさえ、急いでその人を見た。 ━・・瞬間
綺麗な黒髪 おっきくて澄んだ目
男の子なのに・・‘綺麗”って思った・・
「・・・ねぇ」
思わず見とれていて、私はビクッっとした。
「は、はいっ!!?」
お、大人っぽい声ー・・
すると、その男の子は優しく笑った。
「アンタ、苗字が‘田中”ならココにあるよ。
1年2組、田中・・・明日香サン??」
その瞬間、初めて自分の名前が‘特別”に聞こえた。
君が、呼んだから。
「・・・っあ、ありがとぅ・・」
なにコレ・・顔が熱い・・・っ
あわあわ言った明日香に、その子は・・・
「・・ったく、おどおどしゃべんな。ウザい」
・・いきなりしかめっツラになった。
・・・・・・・え????
目が点になった明日香を気にもせず、ハア~とため息。
「てーか、さっきからあんまジロジロ見んなし」
そして、スタスタと歩き去る。
そんなうしろ姿を見つめ、明日香はボーゼンとしていた。
・・・な・・っなにあの男!!!!!!!
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