君のとなり。
オレは教室に戻りながらも、ぐるぐると
さっきのことを考えていた。
・・英介・・本気で・・・?
最後に行き着くのは、必ずこの問い。
ただ、1つだけ確かなことは。
本気で、明日香を傷つけてしまったこと。
教室のドアをあけると、明日香は
まだいなかった。
「・・・・・」
オレが無言で隣の明日香の席を
見ていると、佐藤が近よってきた。
「明日香サンは只今外出中
で~す。あと3分ほどで帰りま~す。
・・・上手くやりなよぉ~??」
ほほえむ真奈美に、祐人は淡く笑った。
「・・うっせ・・」
・・ふ~・・少し落ち着いた・・
明日香はトイレから出てきた。
・・なんで、あんなに傷ついたんだろ??
私より、‘真奈美の方がいい”って
言われたみたいで、すごく痛かった。
わかってた・・。男子はみんな、
真奈美がいいってことぐらい。
カラッっと力無く教室のドアをあける。
・・・・・・え・・?
明日香は目を見開いた。
「・・なんで、アンタが座ってんの・・」
「・・・・・」
明日香の席には、祐人が座っていた。
「・・・・別に・・」
「・・・はぁ??」
明日香が困惑すると、祐人は
明日香の腕をひっぱって中腰にさせた。
2人の目線が、ピッタリ重なった。