君のとなり。
「・・祐人は、明日香ちゃんには優しいね」
英介がフッと笑う。
「!!な・・、何見てんだよ!!」
祐人がカアッと赤くなった。
すると、男子担当の先生が静かに言った。
「・・よし、男子の方は説明も
終わったし・・、先生たちは女子
の方を手伝ってくるから、今から
自由時間だ」
その瞬間、男子から歓声があがる。
「「・・・・」」
祐人と英介は無言でお互いを
ニラむように見た。
そして静かに立ち上がる。
「ゆーとっ!!オレらとバスケしよ・・・っぷ!」
教室で話していた男子に祐人はジャージを投げた。
「わりぃ、また今度な。
ちょっとソレ持ってて」
半袖姿で二カッと笑う祐人に、
男子は驚きながらもうなずいた。
「・・・準備OK??」
英介がバスケットボールを祐人へ投げる。
「おっけぃ。ルールは?」
祐人がボールを受け取り、ニッと笑う。
2人はコートの真ん中、ハーフラインに立った。
「ルールは俺と祐人の1on1で、
先にに20点とった方が勝ち」
ダムッダムッと響いていたボールのドリブル音がやむ。
「・・わかった。賭けるモンとかいる?」
祐人が言うと、英介はサラッと言った。
「・・・もちろん、
明日香だよ」
‘明日香”
明日香を呼び捨てにした英介を、
「・・・・・・」
祐人は射るような瞳でみつめた。