君のとなり。
・・目の前にある、明日香の瞳。
少し、怯えてる。
「・・っ!祐人・・!?」
明日香の首筋に、軽く唇をつけた。
「・・何で、オレに
そんな事聞くんだよ・・?」
吐息がかかる程近い距離で、
明日香を見つめる。
「・・・・っ」
明日香は目をそらした。
━・・こんなに近くにいるのに。
君の心に、・・触れられない。
好きなのに、触れたら
壊してしまいそうで。
「・・オマエの自由だろ。
オレには関係ねぇ。
・・・勝手にすれば・・」
祐人は明日香から手を離し、
歩きだした。
手を伸ばせないから、もどかしくて。
イライラして、逆に傷つける。
・・なんて、子どもなんだろう・・
「・・・・・」
オレが歩けば、2人の距離が広がる。
・・現実的な距離だけじゃなくて、
やっと近づけたココロの距離も、
・・離れてしまった。
そんな気がした。
「・・・っ」
後ろで明日香が泣いてる。
でもオレは、その涙をふけない。
「・・・・・ごめん・・」
小さな声でつぶやいた。
君の首筋につけた、
‘キスマーク”。
アイツの元へ行かないでほしいなんて、
小さな願いと。
オレの独占欲の悪あがき。