君のとなり。

 教室に戻る間中、首筋が熱かった。


「・・・」

無言で力なくドアを開け、
クラスへ入る。

「明日香~!!
 おかえりっ。どこ行ってたの??」

席につくなり真奈美が抱きついてきた。


「・・あ、ごめん。ちょっと・・」

「え、あ、明日香!??」


真奈美のタオルで頬を拭かれて気付いた。


     私、泣いてる・・


「っご・・ごめん・・っ!
 すぐ止めるから・・・・」


ボロボロと涙を落しながら笑う明日香を
見て、私は抱き締めるほかなかった。

「・・ま・・・なみ・・?」

「・・・泣いてもいいから・・・
 無理して笑わないで・・・っ!」

「・・・・・っ」

そう言うと、制服に冷たい感触を感じた。
明日香の涙だ・・・。


「・・・うん、真奈美ありがとう!!
 後でちゃんと話すねっ!」


少しして、明日香は私から離れて笑った。

「・・・うん。授業始まるし、
 席戻るね。タオルは貸しとく!!
 明日香の香り、しっかりつけてねェ?」

「変態っぽいよ~」


   ・・・よかった。笑った。


けど、祐人クンは2時間サボり。

明日香は3時間目の休み時間、
泣いて帰ってきた。


「・・・・・」


これはなんかあったな・・・?


真奈美が「むう」と唸ったとき、



授業開始を知らせるチャイムが鳴った。

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