君のとなり。

明日香は隣の席をじっと見つめた。

   ‘田中 祐人”
・・本当は、どんな人なんだろう??
私と同じ苗字。隣の席。早く、来ないかなぁ・・

「オレのコトは山ちゃんってよんでねィ♪
 んじゃ、入学式の前に出席を・・・・て
 早速ソコ、明日香の隣誰だ?休み??」

山ちゃんこと、先生が私の隣を名簿で指す。

「はいセンセー!!田中祐人です。
 まだ来てませぇ~ん!」

真奈美が早速アピール。すると先生は
ふっと笑った。

「・・そうか。ありがとう佐藤」
「・・・!!!!!!」

真奈美、ノックダァァーウン!!
へにょへにょと席についた。その時、


     ━・・ガラッ

教室のドアがあき、みんながそこを見た。

・・・・・・・・あぁ!!!!!!!

明日香の顔がしかめっツラになる。
男子からどよめきが、女子から小さく歓声が。

「・・えぇ~、スンマセン。遅刻しました」

真っ黒な髪 大きな瞳 
口や顔、手には擦り傷や血の跡。

こ・・こいつっ!!!あン時のぉぉぉ!!!

明日香が「イ~!!」とゆう顔をする。

「コラぁ~田中!!てめっ、初日に
 遅刻すんなぁ」

山ちゃんが「めっ!」と怒る。

「スンマセン」

そのやり取りを聞いて、明日香が唖然する。

・・ちょっと待て。この男が・・
   ・・‘田中祐人”!!!!!??

スタスタと歩いて、明日香の隣の席へ。

     
     「・・あ」


祐人が明日香に気づいて声をあげた。

「・・さっきはお世話になりましたっ!!」

明日香が憎らしげにつぶやいてニラむと、
祐人はクスッと笑って席に着く。

「・・迫力ねぇっつの」

わ・・笑いやがったぁぁぁぁぁ!!!!!
コイツぅ~・・!!やっぱムカつく!!!

・・・ってか、なんで傷だらけ・・??

明日香は祐人に気づかれないよう、
そっと祐人を見つめた。
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