君のとなり。


    「・・・・はい?」


私は先生の言葉に耳を疑った。
それは祐人も同じようで、無言で
先生をガン見していた。


なん・・・ってことすんのコイツ!!


真奈美がガタっと席を立って、
無言で固まる明日香と祐人の前へ行った。

「センセぇ、祐人クンのかわりに
 私が明日香といきますよぉ??
 気分悪いって言ってるし~」

ニッコリ♥笑う真奈美。
(訳=空気読んでうんって言えよ❤)

「いや、田中祐人は遅れてきたんだ。
 そのくらいはしてもらう。
 昼食前にたのんだぞ」


じゃあ明日香関係ないじゃん(怒!!


真奈美の笑顔が思いっきり引きつり、
教室を出た先生にガン飛ばし。

明日香、思わず苦笑い。その時、


「・・・オイ、さっさと行くぞ」


祐人が静かに言って、歩きだしていた。


「・・・・・あ、うん・・」


明日香は慌ててその背中を追った。


「・・・・・・明日香!」


真奈美に呼び止められ、振り返る。


「屋上で待ってるから、
 一緒にゴハン食べよっ!!
 ・・・・笑顔でこなきゃ、
 ・・はり倒すからねっ!?」


手を振って笑う真奈美に、明日香は
手を振り返し笑った。


・・・真奈美、ありがと・・・。






・・・・でも、ちょっと無理かも。


明日香は前を歩く祐人の背中を見つめた。



     ・・・だってもぅ・・



        『オイ』




    名前も呼んでくれない。





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