君のとなり。



      『好きだよ』



自分から好きになったのは初めてで。


激しい嫉妬も独占欲も初めてで。


自分からの告白も初めてだった。



その告白に、明日香は泣いていた。




「・・・えっ!な、泣く程嫌なのか!?」



オレは慌てて涙をぬぐった。


「違うよぉ・・・っ。
 ・・・っ、ばか・・」



明日香が涙目のままオレを見た。



「・・・・嬉しいの!!
 ・・・・・・・言わせないでよ・・・」



赤い顔で、小さくつぶやく彼女を見て、
どっと力が抜けた。



  ・・・・・ウソだろ・・・・



「・・・・・・それ、マジで?」



・・・あぁもう、なんだコレ。

嬉しすぎて、夢だったらどうしようとか、

思っちゃってる自分がいて。



「・・・・祐人が、好きだよ・・・」



明日香がオレに笑ってくれて。


「・・・・・っ」


単純に、大好きだと感じた。



明日香が好きだ。

明日香しかいらない。


━・・‘好き”じゃ、言い足りない程。


こうゆうのを、‘愛してる”なんて。


大人は言ってるのかな・・・・・。





「━・・明日香、大好きだ・・」





抱きしめたい衝動に負けて、また
明日香を抱きしめた。




「うん・・。私も」




腕の中で明日香がほほえむ。






抱きしめた時の感触。


髪のシャンプーの香り。


話し方、声。


笑った表情、怒った表情。




1つ1つ大切で、




明日香じゃなきゃ、駄目なんだ。
 






















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