君のとなり。
Diary 5 策士と応援者の呟きと
━Diary 5 策士と応援者の呟きと━
高校の入学式。
茶色やいろんな髪の色に混じって、
綺麗な黒髪はパッと目を惹いた。
掲示板の前で一喜一憂する姿に、
つい笑ってしまった。
それから目で追う様になって。
「・・・・・・!」
気付いたこと。
「っ、祐人ぉぉぉ!!!!!」
「はっは~んっ!!!」
君のとなりには、必ずアイツがいること。
アイツの表情は、俺に見せた事が
ないような優しい顔で。
彼女もまた、すごく楽しそうで。
‘両想い”
そんな言葉が浮かんできた。
その時から、俺は想いを閉じ込めた。
どうせ駄目なら、幸せになってほしくて。
「とられちゃうよ?
・・・・・俺とかに」
俺はそう言って、ピエロを演じた。