君のとなり。

   『あと少し、我慢して』



英介君の言葉の意味が分からず、
私は彼の腕の中で固まっていた。


「・・・・・来た」


耳元で響く、優しい声。
英介君が微笑む感触がした。





「テメェ、何明日香に触ってんだよ!!」





その瞬間、祐人の声がして、
英介君がパッと離れた。


「え・・祐人・・!?んむっ!!」




驚く私の首元に後ろから手をまわされ、
祐人の方に引っ張られる。



「残念デシタ☆
 明日香はもうオレのなの!!」




       ‘オレの”





その言葉に、鼓動が高鳴った。


オレの・・・・・って・・!!



「行くぞ明日香っ!!」



「━・・あ・・っ!」




祐人に手を引かれながらも、

私は振り向いた。




「英介君、ごめんなさい・・!!
 それと・・・」



・・英介君は、私にとって理想の王子だった。


優しくて、紳士で何でもできて。



         ・・・でも。






そして、私は英介君に笑顔を向けた。




「好きになってくれて・・・・
         ありがとう・・・っ!!」



やっぱり私は 祐人じゃなきゃダメなんだ。








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