君のとなり。
「・・・・・・」
俺は走って行く明日香と祐人の姿を
見つめていた。
「・・・フラれたかぁ・・・」
と、言いつつも口元が緩んでいるのは。
『ありがとう』
あの言葉と、見せた笑顔が本物で、
━・・嬉しかったから。
「・・・伊東クン。
私は見直しましたョ☆」
「あ、佐藤さん」
植木から突然出てきた真奈美に
英介は動じることなく挨拶。
「・・・イイ役やってるじゃぁ~ん♪
この策士めっ!!」
「そんなことないよ」
真奈美にこづかれ、英介は微笑んだ。
「届かないって、わかったから。
2人には、くっついてほしかったんだ」
少し寂しそうに笑う英介を見て、
「・・よーしよし。傷心伊東君には
真奈美サンがジュース奢ったげよう!」
「あはは、ありがと~」
そして2人は歩きだした。