君のとなり。

「「・・・・・」」


先生や移動教室に急ぐ生徒に
見つからないように2人は歩き・・・、




「と~ちゃくっ♪」




祐人の声と同時に、厚い扉が開かれた。




少し、埃っぽい臭い。

部屋の窓から零れる光に、目を細めた。




「・・・わぁ・・、ココ、何の部屋!?」




明日香は部屋に入り、周りを見回して
入口の祐人を見た。



沢山の棚に、びっしり入った古い本。


床に無造作に散らばったプリント。


窓際にある二つの椅子には、

心地よさそうな日差しが当たっていて。



ココだけ、時間が止まってるみたい・・。





祐人は扉を閉めながら、得意げに言った。


「旧・図書館的なとこ!
 ぜんっぜん人来ねぇし、居心地いいだろ!」



子供の様な笑顔につられて私も笑顔になる。


「うんっ!いいところー・・・」



窓辺の椅子に座って祐人に笑いかけた。


「いいサボり場所なんだよな~」

「・・まだ入学して1ヶ月ですよ?」



私がじとっとして祐人を見ると、
さっとかわして言う。

「ま、気にすんな」



いやいや、気になりますから!!


心の中でツッコんでおいた。



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