君のとなり。

そんな顔もできるのかと、
オレは驚いて先生を見た。


「オレだってもう23だからさ、
 カノジョできた時のうれしさとか。
 
 ・・・・知ってんだよ、ちゃんと」



山ちゃんはどこか懐かしげに、
手に持っている本をめくる。


「長く、なが~く、一緒にいたいよな。
 馬鹿みたいだけど、
 好きだって、言いまくりたいよな」



山ちゃんは本を閉じてオレを見た。


その瞳には、厳しさが混じっていた。


「・・だけどな、祐人。

 どれだけ愛してても、



      迷惑はかけるな」




「・・・っ!」



その言葉は、オレの胸に重く響いた。


「お前ががんばっても、学校じゃ
 俺等、先生が絶対だ。

 見つかったら、罰はあるんだぞ」



「・・・・」


祐人は黙ってうつむいていた。



・・・・・・そうだ。

オレ、一緒にいたいからって・・、

まわり見えてなかった。




山ちゃんは、祐人の傍まで歩み寄った。






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