社長と恋



…今あたしの名前…
寝言で?
あたしの?
なんで?
どうして………………
いつもあたしの心を奪っていくの?


頭の中でパニックを起こして、胸元をギュッと掴んだ。


…秋元さんはあたしがいつも気持ちを隠そうとしても絶対許してくれない。
見てみぬふりなんて出来やしないとでも言うように。


でもね、秋元さんはあたしを“友達”だって言った。
“母親みたいで安心する”って。
恋とは程遠いその言葉。


それなのにわざわざ彼を好きになって苦しむのが嫌だった。
そもそも好きなんて気持ち、一瞬の幻想なんじゃないかって思ってた。


でも、これ以上は目隠ししてられない。


< 115 / 371 >

この作品をシェア

pagetop