社長と恋



「じゃあな」


社長はそれだけ言ってスッと立ち上がった。


出口で振り返ってニヤッと笑って


「お前だけだよ。
社長って柄じゃねぇなんて言ってきた奴。」


……それは、笑って言ってたけど、もしかして凄く怒ったのだろうか。


彼が出て行った出口をぼんやり見つめながらそんな事を思った。


すっかり世界に入っていたあたしは部屋にある氷がパキ…ッと鳴る音で我に返って、仕事場へ戻った。


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