社長と恋



秋元さんはにこやかに笑ってそう言うと、あたしの頭をポン、と撫でた。


その瞬間胸がキュン‥と鳴って、泣きたくなった。


いつか、この人にドキドキもキュンともしなくなる日が来るんだろうか‥‥
こんなに好きなのに。
秋元さんだっていつあたしに飽きるか分かんない。
友達ですらいてくれなくなる日が来るかも。


『……近くの…カフェ。』


「そんなんで腹膨れるのか?」


『うん……』


必死に笑顔を作ると、いいなと秋元さんは笑った。


「じゃ、またな」


秋元さんが行ってしまったのを見送って、しばらく扉の前でつっ立ったまま気持ちを落ち着かせた。


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