社長と恋
山崎は顔を上げて、ゆっくり頷いた。
「…………………。」
『…………………。』
何故か見つめ合ったまま沈黙が続いて、柄にもなく照れた。
「…見んなよ」
顔を反らすと、山崎が慌てて言った。
『見てないし!』
「…………今日は…帰る。」
『えっ?』
山崎は驚いた顔で俺を見つめた。
「…なんだよ、泊まってって欲しいのか?」
ニヤッと笑って山崎を見ると、顔を赤らめて違う!と叫んだ。
ふ…と笑って立ち上がると、山崎の頭を撫でて玄関へ向かった。