社長と恋



順調に仕事が終わって、山崎の席を見ると、すでにいなかった。


…ちゃんと待ってんだろーな?
あいつ。


そう思いながらビルの前に行くと、缶コーヒーを持ってちゃんと待っている山崎を見つけた。


ふ…と笑みが溢れ、山崎に近づいた。


「悪い、待たせたな」


バッと振り返ると、何やらカバンをまさぐりだした。


………………?


山崎の行動をジッと見ていると、カバンから手を出して俺の前に何かを差し出した。


『少し冷めちゃいましたけど…どうぞ』


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