社長と恋
あたしは家に帰ると、さっそく泊まる準備をした。
誰かの家に泊まるなんて、あたしはした事がない。
だから下着を準備したり、鏡を見て首のキスマークに照れている自分が少し恥ずかしくなった。
穏やかな気持ちで眠りについて朝起きた時、何故か涙が出ていた。
そういう事があるとは聞いていたけど、本当になったのは初めてだった。
少しの間、不安が胸に駆け巡ってしばらくベッドの上から起き上がれなかった。
こんなに幸せなんだから、きっと幸せの涙だと心に言い聞かせた。