社長と恋



山崎は目をまん丸くして固まった。


そんな山崎に車のドアを開けて、乗れと促した。


『ありがとうございます…』


車に乗せると、自分も車に乗り込んだ。


車が動き出しても相変わらず会話はなく、ラジオの音だけ車内に虚しく響く。


『………お前、いつもバスで来てんのか?』


山崎がこっちを見たのが分かった。


『車運転、苦手なんで。』


「そうか…。
残業があったらどうするんだ。」


『その時は友達に送ってもらいます。』


「……………今度からは…俺に言え。」


< 23 / 371 >

この作品をシェア

pagetop