社長と恋
山崎は目をまん丸くして固まった。
そんな山崎に車のドアを開けて、乗れと促した。
『ありがとうございます…』
車に乗せると、自分も車に乗り込んだ。
車が動き出しても相変わらず会話はなく、ラジオの音だけ車内に虚しく響く。
『………お前、いつもバスで来てんのか?』
山崎がこっちを見たのが分かった。
『車運転、苦手なんで。』
「そうか…。
残業があったらどうするんだ。」
『その時は友達に送ってもらいます。』
「……………今度からは…俺に言え。」