社長と恋



「………どうしたんだよ、お前…。
おかしいぞ?」


そっと山崎に近寄ると、山崎はずっとソファーに座っていたのに立ち上がった。


『おかしくもなるよ。
信じてたのに、心配してたのに、女と抱き合ってんだもん。
あたしのために辞めさせようとしてくれてるのは分かった。
でも二人の距離感がどう考えても友達を越えてる。』


!!


「お前……。
見てたのか?」


『心配して見に行ったの。』


「あれは違――――…」


フワッとシャンプーの香りを漂わせて、山崎が俺の首に腕を巻き付けてギュッと抱き着いてきた。


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