社長と恋
突然の言葉に沈黙が続いた。
あたしは懸命に頭を働かせた。
母親?
……母親!?
『…どうしていきなり?』
秋元さんは頭をポリポリとかいて、あ~…とだるそうに言った。
「実は、母親がこの前電話で見合い話し持ち出してきてさ、彼女いるって断ったら連れて来なさいって言われた。」
『…秋元さんの母親………。』
軽く放心状態でいると、秋元さんが下から顔を覗かせてきた。
「悪い、嫌だよな…?」
秋元さんがたまに見せる甘えるような心配したような表情にあたしはめっぽう弱い。
今ちょうどそんな顔をしている。