社長と恋
「いや、いい。
邪魔して悪かったな、どうしても言っておきたかったから。
それに南にはいろいろタメになる事言われたしな。
結婚おめでとう。
これからも仕事頑張ってくれ。」
「あ、は、はい…どうも。」
いつものサバサバしたらきがたじたじになっている。
こんなに喋る秋元さんは初めて見たのだろう。
玄関を開けて、あたしはクルリと振り返ると、らきは嬉しそうにヒラヒラと手を振ってくれていた。
車に乗り込むと、しばらく秋元さんは黙ったままだった。
あたしもなんとなく黙っていた。