社長と恋



『なんで?』


「どうにも出来ねぇし、人に言いたくない事かもしれねぇだろーが。」


『…そっ…か。』


秋元さんはあたしの頭を優しく撫でて笑った。


「お前ってさ、なんか優しくなった?」


『なった?って何。』


膨れると、秋元さんはフッと笑って言った。


「や、前はもっと冷たかったっつーか冷めてたっつうか…。
まあそれを言ったら俺もか!」


きっと、自分が幸せだから皆にも幸せになって欲しくなったんだよ。
幸せな時って誰かに優しくしてあげたくなったりするから―。


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