社長と恋
「あれは事実か?」
秋元さんの声が聞こえた。
「…………はい。
で、でも、あたし最初は知らなかったんです!
まさか結婚してたなんて…。
知った時にはもう抜け出せなくて…子供だって出来たって知って凄く怖かった!
それなのに簡単に堕ろせなんて言われて…」
泣きじゃくる声が聞こえてきた。
胸が痛む話しで、あたしまで泣きそうになった。
チラッと部屋を見渡すと、幸いにも仮社長はいなかった。
キィ…と音を立てて社長室に入ると、秋元さんも工藤さんも驚いた顔でこちらを見た。