社長と恋
『それは自分で考えなきやダメですよ。』
あたしは優しくそう言うと、工藤さんは不安そうにうつ向いた。
「…ですよね。
………あたし、別れます。」
あたしはジッと工藤さんを見つめた。
「でも子供は産む!」
『えっ!?』
あたしの大きな声が廊下に響いた。
「え…?
やっぱダメですか?」
眉毛を下げてあたしを見る工藤さんに慌てて首を横に振った。
『違う!
まだ赤ちゃんいたんですか?』
「あ…はい。
まだ怖くて悲しくて。」