社長と恋
過去。
“人を好きになった時、同じ分だけ好きになってもらえたらいいのに。”
かつて誰かが言っていた言葉を今さら思い出す。
夢だと思っていたけど、実際あった事だと思い出すのには少し時間がかかった。
俺はしばらくぼんやりベッドの上で座ったままいた。
「……………………。」
時計を見て、ようやく支度を始めた。
車の鍵を手に取ると、愛車まで眠気と戦いながら歩く。
プルルルル…プルルルル…
携帯を取り出し、耳に当てると、愛しいあいつの声が聞こえた。