社長と恋

過去。




“人を好きになった時、同じ分だけ好きになってもらえたらいいのに。”


かつて誰かが言っていた言葉を今さら思い出す。
夢だと思っていたけど、実際あった事だと思い出すのには少し時間がかかった。


俺はしばらくぼんやりベッドの上で座ったままいた。


「……………………。」


時計を見て、ようやく支度を始めた。
車の鍵を手に取ると、愛車まで眠気と戦いながら歩く。


プルルルル…プルルルル…


携帯を取り出し、耳に当てると、愛しいあいつの声が聞こえた。


< 295 / 371 >

この作品をシェア

pagetop