社長と恋



「そんな事言う奴お前ぐらいだよ。
本当お前は生意気だよな。」


ふ、と笑う秋元さん。
生意気なんて言われて嫌なはずなのに、秋元さんが笑って言うと褒めてくれてるみたいに聞こえるの。
…あたしってばおかしいのかな。


車を降りて家に入ると、あたしは真っ先にコーヒーを入れた。
秋元さんとあたしがいると、コーヒーを飲むのがいつの間にかお約束になっている。


「…さんきゅ。」


コーヒーを渡すと、当たり前のようにソファーの上に座って隣をポン、と叩く。
“ここに来い”という意味だ。


< 325 / 371 >

この作品をシェア

pagetop