社長と恋



しかしある日、指輪を選んでいる時、突然山崎がどこかへ走って行った。
慌てて追いかけると、小走りで山崎が戻って来た。


「お前…どこ行ってたんだよ。
いきなり走るから店員もびっくりしてただろーが。」


『ごめん…。』


「知り合いでも居たのか?」


『…うん…。』


「……………………。」


指輪を選ぶと、すぐに俺の家に帰って山崎に問いただした。


「山崎、お前何隠してんだ?
旦那に言えねぇ事か?」


『…………………。』


うつ向いたまま黙っている山崎の顔を覗き込む。


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