社長と恋



恥ずかしくなって、プイッと顔を反らすと、秋元さんはカチャカチャ、と音を立ててコーヒーを持ってきてくれた。


「拗ねんな!
はい。」


『ありがとう』


コーヒーを飲んで、秋元さんを見ると、パッと目が合った。


『…何?』


「なんか変な感じ。
誰かと家でこうやって向かい合ってんの久しぶり。」


『………誰か友達とか呼ばないの?』


「そんなのいねぇよ」


寂しそうに笑った秋元さんを見つめた。


…この人はいつも偉そうだけど、本当は優しくて寂しがり屋なんだ。


< 38 / 371 >

この作品をシェア

pagetop