社長と恋
スッと俺から離れて少し照れくさそうに笑った。
『…なんかすみません。
取り乱しちゃって……服ちょっと濡れちゃってる…』
「そんなの気にするな。
それより…お前大丈夫だったのか?」
『うん。
すぐに逃げたから…』
「そうか……」
『それにしても、走ってきてくれたの?』
「あ?あぁ。」
『秋元さんが誰かのために走るなんて意外。
ありがとう…』
山崎はそう言って柔らかく笑った。
……誰かのために走った事なんて…初めてだ。