社長と恋



トクン、と心地いいテンポで鳴る胸。
思わず立ち止まってギュッと胸元の服を掴んだ。


「…どうした?
怒ったのか?」


立ち止まったあたしに気付いて、秋元さんも立ち止まって振り返った。


……今あたし、秋元さんにキスしたくなった。
きゅんってなった…
…自分が怖い。


『…チビじゃないもん…』


うつ向いて、自分の気持ちに目を反らすように、小さく呟いた。


…気付かない方がいい。
まだ間に合うから。


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