社長と恋
「では、失礼します。
挨拶しておきたかっただけなので。」
「あぁ、わざわざありがとう。
そうだ、優華に会ったらよろしく頼む。
あいつ、真琴君が今日来るか気にしていたから。」
「………はい」
優華?
女?
秋元さんを見ると、なんだかさっきよりも笑顔が嘘くさかった。
でもその事には触れない事にした。
部屋から出ると、あたしは秋元さんに言った。
『ねぇ、今の葛城さんって人、凄いいい人だね!』
秋元さんはあたしを見て、ニカッと笑った。
「だろ!
昔親父の友達で俺も世話になったんだけど、スゲーいい人なんだよ。
あの人だけは俺好きなんだよなぁ…安心するっつうか。」