年下彼氏。


二人を横目で気にしつつ、あえて通りすぎた。



一真…笑ってる…



一瞬見えた、その顔に寂しさを感じた。一真が自分以外の女の子に微笑んでいるのが、腹立たしかった。



ねぇ、貴方の好きな人は誰?


ねぇ、なんでその子に微笑むの?


ねぇ、本当は……



いろんな想いが混ざりあって、頭の中はぐちゃぐちゃだった。




放課後。
熱心な一真は、部活が終わり、みんなが帰ったあとでも、一人トレーニングを続ける。私は毎日、一真のトレーニングが終わるまで待って、終わったら校門まで一緒に帰る。一緒に帰る時間よりも、待つ時間の方がだいぶ長い。それでも普段一緒に居れない分、たった少しの時間でも、一緒に居れることが嬉しかった。


でも今日は違う。



「なんで…?」







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