ゆるゆる恋愛事情
キーンコーン……
ん?
何でチャイム?
「やっば!」
飛び起きて周りを見渡すが誰も居ない。
「……勇気くん帰った?」
あいつならあり得る。
「………7時か」
とっくに下校時間だ。
絶対勇気くん帰ったよ…!
すると、ガラッとドアが開く音がした。
「お、起きた」
「勇気くん、居たんだ…」
ドアを開けて保健室に入ってくるなり、きょとんとした顔を向けてくる。
「さすがにオンナノコ置いて帰りませんよ〜どんだけぼくは薄情な奴やねん!」
「だって勇気くんなら帰りかねないし…」
「あほかっ」
「あ痛っ!」
不意討ちにデコピンを食らってしまった。
「帰るで」
「え、うん…!」
私は慌ててカバンとマフラーを取って保健室を出た。
「どうする?一緒に帰ってるのバレたらまずいけど」
「ん〜、じゃぁまた明日な」
「ん、ばいばい」
私と勇気くんはお互いに手をふって別々の方向に別れた。
「……怖いなー」
幸せで。
うわ、乙女ちっく発想!
自分で思ってむず痒くなってしまった。