ゆるゆる恋愛事情
てか、あれ以来高須くんに会ってない。
と、言うか会わせる顔が無い。
私は靴を履きかえて外に視線を向ける。
「よし」
万が一、高須くんに会ったりしたらなんて言ったら良いんでしょうか。
「清水さん?」
「うぇ!?たたた高須くん?」
まさかの展開キター!!
「あ、の!この前はごめんなさい!」
「あぁ、あれ…ね?」
高須くんはいつもと違う悪そうな微笑みを見せる。
「諦める気、無いし」
「え…」
「俺、清水さんのこと好きだよ」
「っ……!」
「だから、多少強引な手を使っても手に入れるし」
「ご…強引?うぇ?!」
私はいきなり腕を引かれ高須くんの胸へ倒れこむ。
「ちょ、困るよ高須くん!」
「そう、強引な手…ね」
何、何、何!
私は何だか怖くなって、思いっきり高須くんと自分を突き放す。
「ごめん!困る!さよなら!」
私はそう言い捨てて走って駅まで直行した。
強引な手、って。
押しに弱い私にとって一番困るんですけど…!