ゆるゆる恋愛事情


てか、あれ以来高須くんに会ってない。


と、言うか会わせる顔が無い。


私は靴を履きかえて外に視線を向ける。


「よし」


万が一、高須くんに会ったりしたらなんて言ったら良いんでしょうか。


「清水さん?」


「うぇ!?たたた高須くん?」


まさかの展開キター!!


「あ、の!この前はごめんなさい!」


「あぁ、あれ…ね?」


高須くんはいつもと違う悪そうな微笑みを見せる。


「諦める気、無いし」


「え…」


「俺、清水さんのこと好きだよ」


「っ……!」


「だから、多少強引な手を使っても手に入れるし」


「ご…強引?うぇ?!」


私はいきなり腕を引かれ高須くんの胸へ倒れこむ。


「ちょ、困るよ高須くん!」


「そう、強引な手…ね」


何、何、何!


私は何だか怖くなって、思いっきり高須くんと自分を突き放す。


「ごめん!困る!さよなら!」


私はそう言い捨てて走って駅まで直行した。


強引な手、って。


押しに弱い私にとって一番困るんですけど…!


< 42 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop