ゆるゆる恋愛事情
ひぃひぃ言いながら真顔になろうとするけど、また吹き出し始めた。
なんてひどい彼氏だ。
「も〜帰ります!」
「ま、待って…ふぅ…怒った?」
「怒った!」
「わー、ごめん、許して?」
言い方可愛すぎるでしょ、反則だっつーの…
「分かった、許す」
「よかった」
にっこり笑った勇気くんは、立ち上がって私にカバンを渡す。
「今日はもう帰りや」
「え?待ってるよ?」
「あかんよ、帰って?」
「?…うん」
何だろう?
私が不思議そうな顔をしていると勇気くんは髪をわしゃわしゃ撫でてきた。
「……さよなら」
「さよなら…?」
「今日はちゃんと寝や!」
「え、あぁ、うん。じゃぁまた明日」
私は勇気くんに手をふって保健室を出た。