ゆるゆる恋愛事情
「なんだろ〜、さよならって」
私はぶつぶつ廊下を歩いていると、見慣れた人影を見つけて叫んだ。
「なつ、麻美、里美〜!」
「あ、真子」
「え、真子?!!」
「な、何?どうしたの?」
すごい勢いで迫ってくる3人。
そしてなつが化粧ばっちりな顔を強ばらして私の形を掴んだ。
「あんた、榊原先生と噂になってるよ」
「へ?」
ど、どーゆーこと?
「付き合ってるって、噂広がってんの!!」
「はぁ?!!」
嘘?!
なんで、しかもこんな早く…
「真子、高須のこと片付いたの?」
麻美はポニーテールを揺らしてゆっくり近づいてくる。
「う、してない…」
「それ、じゃない…?」
不安そうに呟く里美を見て、思わず身震いする。
「どうしよう…」
「兎に角、しばらくは保健室に行かない。榊原先生とも関わらない。分かった?」
「………」
「大丈夫、私たちだっているんだから」
なつ……
「皆、ありがとう…」
皆が居れば心強い…
私は決心して前を向いた。