ゆるゆる恋愛事情


「なんだろ〜、さよならって」


私はぶつぶつ廊下を歩いていると、見慣れた人影を見つけて叫んだ。


「なつ、麻美、里美〜!」


「あ、真子」


「え、真子?!!」


「な、何?どうしたの?」


すごい勢いで迫ってくる3人。


そしてなつが化粧ばっちりな顔を強ばらして私の形を掴んだ。


「あんた、榊原先生と噂になってるよ」


「へ?」


ど、どーゆーこと?


「付き合ってるって、噂広がってんの!!」


「はぁ?!!」


嘘?!


なんで、しかもこんな早く…


「真子、高須のこと片付いたの?」


麻美はポニーテールを揺らしてゆっくり近づいてくる。


「う、してない…」


「それ、じゃない…?」


不安そうに呟く里美を見て、思わず身震いする。


「どうしよう…」


「兎に角、しばらくは保健室に行かない。榊原先生とも関わらない。分かった?」


「………」


「大丈夫、私たちだっているんだから」


なつ……


「皆、ありがとう…」


皆が居れば心強い…


私は決心して前を向いた。


< 47 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop