かくれんぼ
上か下か…ドコから聞こえたのか特定出来ない


「美咲…助けて…怖い…」


帆乃花が震えて泣きそうになる


「うん…」


私達は二階と三階の階段の途中


どうすれば…


暗闇の中、頼りになるのはそれぞれ手にした懐中電灯のみ


「茉莉ぃ〜茉莉ぃ〜」


泣きながら帆乃花が叫ぶ


「帆乃花、ちょっと静かに…」


「う、うん…」


私達は階段に座り込む


私達は耳を済ませた


「ね、美咲…茉莉に電話してみようよ」


帆乃花が携帯電話をポケットから取り出した


帆乃花は茉莉の番号を表示し、通話ボタンを押す


呼出音が静けさの中、響く





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