涙の色は
「…」

風呂に入りながら、考えていた。

ステラとどう接するか。
もう、元の関係にはなれないんだろうな…

なにも知らず、前も後ろも不確かな、先輩後輩には…


「っ…と」

風呂で寝ていたらしい。頭がぼーっとする。

「お兄ちゃん、大丈夫?」

なぜか、真由も入っていた。

「真由…なんで真由まで…」

「あのさ…お兄ちゃん?ステラさんの事で何か悩んでるの?」

「…!」

「寝言でずっと、『ステラ…ステラ…』って…」


「お兄ちゃん…私で良ければ…彼女になるのに…」

「真由!それは…」

「分かってる!分かってるけど…!」

「…ごめん」

真由と僕は実は兄弟ではないとゆうことを、ばらすわけにはいかなかった。

いままでの苦労は、無駄にしちゃ駄目だ。


真由も僕も上がった。

熱で浮かされた躯は、外気で冷えていく。

まるで氷が消えていくように、儚く…
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