愛ノアイサツ
それから暫くして僕の体調も安定し一月後には退院することになった。それでも時間を見つけてはその病院まで雪乃に会いに行ってその日の学校の話とか今練習している曲の話を聞かせてあげた。やっぱり雪乃は僕のちっともまとまってない話を楽しそうに聞いてくれたから、僕は嬉しくなって次会うときは何を話そうかなんていつも考えていた。そうやって毎日過ごすことはとても楽しかったし、周りの同級生とは違う特別な存在がいることに優越感みたいなものも感じていた。だから誰にも雪乃について話さなかったし、教えるつもりもなかった。自分だけの秘密の友達、そんな存在がいることに僕はいつのまにか満たされていた。
「こんにちは。雪乃ちゃんのお見舞いにきました。」
いつも通り病院の受付のお姉さんに声をかけると信じられないような言葉が返ってきた。
「あら、稜君。雪乃ちゃんね、昨日別の病院に移っちゃったの。突然だったから聞いてなかったわよね。」
僕は頭の中が真っ白になった。いつの間にか慣れてしまったお姉さんの声をどこか遠くで聞いていた。
結局どこの病院に移ったかも教えてもらえず、雪乃はあっけなく僕の前から消えてしまった。
それから暫く何をしても楽しくなく、雪乃の顔が頭から離れなかったが、時間がたち忙しくなるとその特別な存在は記憶の彼方に埋もれていってしまった。
「こんにちは。雪乃ちゃんのお見舞いにきました。」
いつも通り病院の受付のお姉さんに声をかけると信じられないような言葉が返ってきた。
「あら、稜君。雪乃ちゃんね、昨日別の病院に移っちゃったの。突然だったから聞いてなかったわよね。」
僕は頭の中が真っ白になった。いつの間にか慣れてしまったお姉さんの声をどこか遠くで聞いていた。
結局どこの病院に移ったかも教えてもらえず、雪乃はあっけなく僕の前から消えてしまった。
それから暫く何をしても楽しくなく、雪乃の顔が頭から離れなかったが、時間がたち忙しくなるとその特別な存在は記憶の彼方に埋もれていってしまった。