続きは、社長室で。2
総支配人の一礼で見送られた私たちは、エレベーターで2人きりとなる。
再び密室となった為に、甘いホワイトムスクの香りが蔓延する空間。
引き寄せられている腕の力で、微かに触れる箇所が熱を増していた。
広々とした空間が意味をなさないほど、近づきすぎているキョリ。
いつも以上にドキドキするのは、どうしてなの…?
グイッ――
すると一気に身体の向きを変えられて、一瞬だけ視線が重なったあと。
「ンッ・・・」
驚く間も与えられぬほど、グッと塞ぐように唇を重ねられた。
既に熱を帯びていた身体は、唇へと一気に全神経が集中していく…。
「ふっ…ンンッ――」
どこか荒っぽさを感じる始まりだったけれど、すぐにソレは消えており。
チュッとリップ音を立てつつ、舐めるような甘い口づけへと変化していた。
ホワイトムスクの香りと重なった唇をさらに求めて、眼前の胸にしがみつく。
そんな私の後頭部を支えると、さらに深くなりゆく拓海の愛しいキス…。
「ンッ――!」
グッと捻じ込んできた舌で絡み取られれば、意識が朦朧とし始めた私。
不安など不必要…、そう思わせてくれるのは貴方だけなの・・・