続きは、社長室で。2
拓海のシャツをキュッと握り締めて、甘いキスの往来に耐えていて。
呼吸がどんどん荒々しくなっていようが、離れたくなかったの。
もっと続いて…と、ひどく寂しがりな心が求めているから――
好きだからこそ不安になって、愛しているほどに怖くなる…。
そんな不器用で、弱虫な私を、貴方はこうして受け入れてくれるけれど。
拓海の隣を歩いて生きていくには、もっと強くならなきゃダメだね?
だから私も湧き上がってくる感情を、ありのまま素直に伝えたくて。
貴方に教え込まれたキスの仕方を、自ら必死で行使していた・・・
「ん・・・」
高速エレベーターが到着音が鳴り、スッと離れた唇がキスのエンドを告げた。
スーッと滑らかに開いた扉で、急に気恥かしさを覚えてしまった私。
握り締めていたシャツから手を離すと、ふわふわして足もとがグラついたそのトキ。
またしてもギュッと抱き寄せられたあと、私の身体はふわっと宙を舞った。
「今から大丈夫か?」
「っ・・・」
イジワルめいた貴方に寄り添って、高鳴り続ける鼓動を引き連れて行く…――