続きは、社長室で。2


求められれば応えたい…、キモチが増してさらに愛おしくなる…。



本能を曝け出すように拓海に縋って、細胞すべてで反応していたと思う。



そんな余韻が尾を引いて目覚めた今、貴方が隣にイナイのは寂しいけれど。



あの濃厚なトキが安堵を齎して、心地良い眠りへとすぐに誘ってくれたの・・・





「蘭、悪い時間だ・・・

これからロスに向かうから、ゆっくり眠ってくれ…」


「え…、時間は大丈夫!?」


行為のあと突っ伏していた私は、ガバッと身体をベッドから引き上げる。



「フッ、大丈夫だって…。

パワー貰ったし、行ってきます」


「うん、気をつけてね?」


ブルーのストライプのネクタイを締めた拓海に、おでこへキスを落とされて。




「帰るまでには消えないかな…?」


「え・・・?」


「ハハ、コッチの話!」


最後に私の頬にキスをしたあと、そのままスイートルームを退出して行った。




時間をムリして作って、愛証を伝えてくれた嬉しさで心は満たされていて。



ふたつのキスが気付け薬のような効果を発揮し、私は眠りへと誘われていた…。




拓海、本当にごめんなさい――



幸せに包まれていたトキ、愛しい貴方は苦しみを味わっていたのに・・・




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