続きは、社長室で。2
この先も背負う物が多い貴方は、手の内を見せるコトが少ないと思う。
それでも仕方がナイのだと…、オトナの見識を持って傍にいたい。
少しでも私と過ごすトキに、安らぎを感じて貰えるのなら・・・
だから涙を笑顔に変えて、その笑顔を未来への足掛かりにしたいの。
私を心配気に見下げるブラウンの瞳に、これからを委ねる為にも…。
「ありがとう・・・」
「こっちの台詞だ…」
フッと微笑してくれた貴方なら、何も心配はイラナイよね?
見えない氷壁が覆っていた隔たりは、温かなキモチが急速に溶かしていく。
今まで蓄積していた刺々しい想いは、とても柔らかなモノへと変化している。
昨日は事実を受け入れるだけで、精一杯だったというのに。
今は前を向いて、既に未来を見据えていけるほどの変わりようで。
不思議と怖いモノにも、真正面から立ち向かえそうな気がしていた。
それもこれも、すべて拓海の存在があってこそ――
だから、この先の困難にも耐えられると思えたのに・・・