続きは、社長室で。2
きっと2人は、気負っていた私の不安を取り除こうとしてくれていた…。
それを表に出さない2人の優しさに、今ごろ気づくなんて・・・
いつでも優しい貴方を、どうして信じきれていなかったのかな?
すぐに不安になって、それが自信の無さを露呈していただけなのに…。
「・・・っ」
気を緩めると零れそうなモノの為に、グッと歯を喰いしばった。
いつでも泣いていたから…、最早クセになっているのかもしれナイ。
だけれど、泣いているだけで足踏みする自分とはサヨナラしたいの。
隣を歩くには覚束なさすぎて、東条家に嫁ぐには力不足だとも思う。
それでも貴方を愛するキモチなら…、誰にも負けない――
後姿を追っている日々を、いつか脱却出来るように頑張らなきゃ。
貴方の隣で笑って、胸を張って生きられる女性になる為に…。
愛証を与えられた分、ソレが糧となって強く生きられるハズだもの・・・
メイクやヘアを済ませると、クローゼットからお洋服を取り出した。
それはアノ日に唯一、自分の意思で欲しいと望んだお品だ。