続きは、社長室で。2
どうか無事でいて欲しい…、それだけが私の一生を賭けた願いです。
拓海が助かるのなら、私はどんな仏罰を与えて頂いても構いません。
貴方が生きていれば、他にはもう何もイラナイから・・・
「良かったわ…、目が覚めたのね?」
「・・・え…?」
途切れていた意識が、柔らかな声によってパズルのように覚醒していく…。
「蘭ちゃん、あれから眠っていたのよ」
ホッとした表情を浮かべて、私の乱れた前髪を整えてくれるのは理沙子さん。
「っ…、拓海は!?」
「ら、蘭ちゃん、落ち着いて!
残念ながら、まだ動きはないわ…」
勢い良く起き上がった身体は、彼女の言葉を受けて勢いを急速に失った。
「っ、拓海に、もしもの事があれば…っ、私の、せいです…!
ごめんなさい…、ごめん、なさ・・・」
祈るコトしか出来ないクセに、現実から逃げて眠っていた自分に酷く苛ついて。
どうするコトも出来ない今に、行き場のナイ苦しみが増して涙が流れていく…。
拓海の感触などナイと解っていても、微かな繋がりを求めてドレスを握り締めていた。
迷子になって彷徨っていても、いつでも私を見つけてくれた拓海のように。
どうして愛しい貴方の息づく場所を、探し出せないのだろう・・・