続きは、社長室で。2


幾つものシルシと痕を頼りにして、ずっと強くいるから・・・



ガチャッ――

理沙子さんを待たせている手前、急ぎ目にシャワーを終えて退出した私。



「すみません、お待たせ致しました…」


「慌てなくても良かったのよ?」


真っ白なドレスは着られない状態の為、バスローブ姿で戻ったのだけれど。



高層階から臨む都会の喧騒を、ソファに座ってぼんやり眺めていた彼女。



何となく、いつもの澄んだ瞳の色が褪せていた気がした…。




「そういえば、携帯が鳴っていたわよ?」


「え…、ありがとうございます」


彼女は無機質な景色に背を向けると、柔らかな笑みを浮かべて教えてくれて。



すぐさま置き去りのバッグから、携帯電話を出して履歴を確認した私。




「菫・・・」


「お友達?」


「あ、はい…、でも…」


「どうかしたの?」


「今日約束があったので…、断わらなきゃ…」


携帯画面に表示されたのは、今夜の飲み会の参加確認メールだった。



こんな非常事態では、とてもじゃないけれど行ける訳がナイ…。




「蘭ちゃん…、行きなさい」


え・・・?




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